学芸員という生き物について

博物館で生業を立ててる人のはなし。

現場仕事が好きなんだけれども

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次に始まる展覧会の準備に追われているのだが、やっぱりこの作業自体は好きなのだろう。デスクワークをしているよりも若干活き活きしていると自分でも思う。

デスクワークも好きだよ?でもだんだんしんどくなってきちゃうから(単純作業が多いとちょっとしんどいな)、やっぱり現場であれこれ作業している方が楽しかったり。多分そういうのが向いてるんだと思う。ほら、小中高と文化祭の実行委員会とかやってたもんで。「楽しかったあ」と言って帰っていく人を見るのも好き。

それはさておいて。

準備のためにひたすら室内を歩き回って壁を動かしていた。これ面白いのは、だんだん「自分が垂直なのか、それとも壁が垂直なのか」分からなくなってくるところだ。壁はレールに沿って自在に動かせるようになっているのだが、その重量や経年による劣化で歪んでいる可能性がある。床面に固定する前に放置してみると、何となく、若干、数センチほど飛び出すor引っ込んでいる。怖いのはさ、その状態でiPhoneの計測アプリ内水平器機能で調べたら0°とか出るんだよね、つまり垂直。おいおいマジかよほんとかよ?え?じゃあわたしの方が歪んできてるってこと?疲れてんのかな?と。

ね、だんだんと水平垂直が分からなくなってくるんだよ。これはドツボにハマったら最後で、なかなか抜け出せない。遠くに離れて見たり、近寄って確認したりと、それを繰り返しても「…どっちだこれ?」となりがち。もうちょっとわかりやすい方法が無いものか。

これ作品展示すると余計にややこしくなっていくんだよね。

(1)壁に展示した作品がなんか歪んでるように見える

(2)水平器やら何やら取り出して確認する→数字的には間違いなく水平

(3)でも離れて見たらなんか変

(4)額の形状に引っ張られてそう見えただけ、自分の体の歪みでそう見えただけ、展示壁がおかしかったからそう見えた、などなど…各要素が複雑に絡んでるので対応大変だぞ

という感じ。いつも最終局面で「えー…」とか言い出して座り込みがち。最終的には人の目で見て不自然は無いか、とかで判断するけど。この辺はもう、微調整なところあるよ。

準備段階の今日でこんな具合なので、来週以降の作業日はもっと頭抱えてるかもしれない。

でも、それでも、やっぱり現場ってのが面白いから嫌いになれないんだよね。

体力勝負が続くのでこの土日はのんびりしよう。