学芸員という生き物について

博物館で生業を立ててる人のはなし。

思いつきで展示をしない方がいい

次の展覧会まで時間もある、というので、展示室が割とがらんどうになってしまった。

毎年の光景ではあるが、しかし何もしないてのもあまり良くない。なので、小規模展示を作るかあって、展示台やらパネルやら出してきて、展示する作品も収蔵庫から「春っぽい、春の雰囲気がする」ものを数点選びだして、えいやあと出した。あとはキャプションとか解説パネルを小規模ながらも作ればそれなりに見栄えがするかなーと思っているのだが、思いつきでやっているので書くに書けない。

で、今途方に暮れている…ではないけど、ちょっと凹み中。書かなきゃ始まらないが、どのくらい噛み砕くか、年齢層はどのくらいを狙うか、などなど考えることが渋滞している上に新年度の準備のための会議とかそういうのが折り悪く入ってくる。時間があるようで無いのだ。

これ書いてて「あ、そういえばあれもやっておくんだった」とか思い出す案件があったし。チクショー、展示とか作品とか資料にじっくり向き合いたいんだよー。

叫ばずにはいられなかった。

とはいえ、時間も限られているので何かしらの手は打たないと。昨年やった時はキャプションだけでは面白くないね、という話だったので、今年は解説もひとつ作ろうと動いているが、読んでもらえるだろうか。そもそも、この展示室前に人が来てくれるのか、という問題もあるのでなおさら人の誘導をどうするかも考えなくてはならない。そしてこれが案外難しいのだ…過去の経験からしても矢印通りに人は動かないことを知っているだけに、どういう工夫が今の環境にあっているのか、そこから考えなくてはならない。うーん、わかんね。

始めてしまったから最後までやる気ではあるが、思いつきで動かない方がいいなと改めて思った。もうちょっと考えてから展示作るんだったなーこれは来年の引き継ぎ事項として残しておこう。