学芸員という生き物について

博物館で生業を立ててる人のはなし。

子どもが撮る写真っていいよね、ていう話

家族を撮る。子どもとの10年を残す、デジカメLesson (momo book)

こないだ子どもたちを招いてのイベントを開催して、わたしは作業員メインで動いて回って、その時々で写真を撮るのをやっていた。撮影係が別にいたので、あくまでも彼の補完的な。だってひとりで全部撮れないじゃない。子どもたちうじゃうじゃいて走り回ったり夢中に何かしてるし。

で、iPhone使って撮影して(撮影後のデータは責任者へ提出後削除)たんだけど、これがまあ自分で言うのもなんだけど見返してみるとそれなりに良い感じに撮れている。でかい一眼だとここまで撮れなかったかも…なんて。

でかいのもいいんだけど、みんなポーズしちゃうのもあるし、機動力の面でも若干難しい場所があったかもしれない。作業している子どもたちの間にちょろっと入って撮影して行く的な動きをしてみたけど、カメラが大きかったら意識してしまうのもあるだろうし、それで集中を妨げたくなかった。

もっとも、反対に「カメラだー!」「何それ初めて見た!」ていう感じで食いついてくる場合もある。ここら辺の使い分けというか、そういうのが難しいな。カメラに興味持った子を撮ると逆に「貸してー」「撮らせてー」「やらしてー」となって収拾が付かなくなる。

しかし経験上、そうやってやってきた子が撮る写真はものすごくグッとくるような内容になったりするからなー何か良いんだよね。綺麗とかそういうのとは違う、子ども独自の視点みたいなのがあって。

以前勤めてたところでも似たようなことをしてカメラを貸したらしばらく帰って来なかった。まさしく字の通りで持ったままどこかへ行ってなかなか帰って来なかったのである。その子は室内ウロウロしながら写真撮ってて、30分くらいかな、そのくらいで飽きたみたいで返してくれた。「じゃあ見てみよっか」ってバックパネルで再生して一緒に見ていったら、10枚くらいのほとんどはピンボケとかちょっとズレた感じの写真ばかりで、それはそれで面白かったんだけど、2、3枚すげえなてのがあって。「これすごいな!」て言うと照れてた。

たぶんあれは毎日撮ったりするとダメになるんだろうな。それこそ「大人好み」の写真になってしまうんじゃないか。それよりも時々遊び感覚で撮った方が面白いし良い写真ができるのではないだろうか。

うちも子どもが生まれてちょっと大きくなったら撮らせてみようかなあ…ああもうこの時点ですでに「大人好み」の写真への道ができている。あかん。本人の興味関心が一番なんだよこういうのは。

まあでも、イベントとして、今の職場でも「ちょっと体を使うワークショップ」みたいな体でやってみたら面白いかもしれない。そんでそのまま展覧会にするという一石二鳥的な。そういうのができれば良いんだけどなあ。

相談してみるか。