トライやるウィークが今年もやってくる。しかも2回目。近隣自治体の中学生も受け入れなけりゃならないのだ。
トライやるウィークとは?
詳細についてはWikipediaが詳しい。
あとは文科省のページかな。
地域に学ぶ中学生・体験活動週間「トライやる・ウィーク」:文部科学省
兵庫県の教育委員会の解説。
要するに、1995年の阪神大震災、1997年に起きた酒鬼薔薇事件が発端で、中学生に働く場を見せて勉強させよう、心の教育をしよう、というのが主旨。
しかしながら、開始から20年が経ち、いろいろと問題点もあるのが実情。
神戸新聞NEXT|総合|「トライやる」20年 薄れる原点 中学生職場体験
この神戸新聞の記事が綺麗にまとまっていると思う。
感じていること・問題だなと思っていること
仕事量2倍になる
結果的に、抱えている仕事と中学生の面倒を見るのを同時に行わなくてはならず、仕事が2倍になる。しかも期間長いからしんどいのである。
職場全体で取り組めればいいのだけど、なぜかわたし一人にその仕事が集中してくる。カリキュラムの作成から各部署との折衝まで作り込んで、いざ当日やってみると中学生から「これ面白くな〜い」とか言われたりする。たまにそういうことを平気で言う子がいるからなおさらガクッとくる。
担当教諭からは「ぜひ怒ってやってください」と言われてるけど、なんであんたたちの指導が行き届いてない生徒をこちらが指導してやらなきゃならないのだ、なんてことまで考えてしまう。
そのくらい追い詰められる。
理念と実態がかけ離れすぎている
職場体験学習ではないと兵庫県は言っているけど、実際には職場体験学習だよな。心の教育がどうこうと言ってるけど、そういうコト考えてる事業者はほぼほぼいなくて、むしろ戦力として活用するか、何やらせようか分からないからとりあえず雑用やってもらうとか、そういうのが大半なんじゃないかと思う。
心の教育って何をどうしたらいいのか。全く分からずにいる。
そもそも学芸員がどういう仕事かあまり知られていない
スーパーとか、そういう表に出ることもある仕事はまだしも、学芸員なんかほとんど裏方に徹する、あまり花のない仕事だ。だいたい一人でできるような仕事・作業ばかりだし…そう考えると実際問題何やってもらおうかでいつもすごく悩む。悩むを通り越してもうわけわかんない。
やってくる中学生たちは、仕事=目につくもの、しか想像できないだろうし知らないだろうから、学芸員なんていう仕事を説明しても「???」っていう顔をするんだよね。割とあからさまな感じでそういう反応されると、こちらとしてもどうしたらいいか分からなくなるし、何より教師自体が学芸員を知らないからトライやる中にやってきては「もっと絵になるような仕事ってないですかね??」とか聞いてくる。生徒たちの写真撮って文集とかに使うんだろうけど、そういう言い方はねえだろ。悪かったねえ地味な仕事で。
よその館のカリキュラムを知りたい
とか思ってても始まらないから、よその館が何しているのかを勉強したい。普段からちゃんとした博物館活動ができているのであればまだしも、ウチみたいに何かしらバタバタしているようなところは少ないだろうから余計気になっている。
皆、何させているんだろうか。特に博物館美術館関係。実際に見ることができれば、いろいろ良い部分を吸収して反映したい。なお、今年は例年通り接客から何からをやってもらう予定。真面目そうな子たちばかりだったから、毎回サクサクと予定していたカリキュラムが消化されていって、あっという間に「次は何をさせたらいいか…」という事態になる。これで「仕事って案外簡単ねー」と思われるのも嫌だけど。
とにかく、何をさせているか情報が欲しい。現状、あまりにも情報が少なすぎる。
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…子供確かに3日目あたりから変わるけど、変わらない子は最後まで変わらないんだよなあ…それでいいのかな。