学芸員という生き物について

博物館で生業を立ててる人のはなし。

意気込みだけはあるんだけど、何をどうしたらいいかわからない

意気込みだけはあるんだけど、何をどうしたらいいかわからない

自分の研究の話。

そろそろちゃんとした形にしよう、毎年年が改まるたびに思うんだけど、そういう意気込みはあるのに結果に結びつかない。

今年もそうだった。

おそらく意気込みはあるけど何をどうしたらいいかわからないってのが実際のところなんだろう。

書いてなんぼの世界ってのは分かってるけど、書けずにいる。

論文の書き方 (岩波新書)

論文の書き方 (岩波新書)

 

あーまたこれ読んで出直そう。そうしよう。

ワイヤレスキーボードがほしい

前言撤回?

こないだあんなことを書いたのに、ちょっとしたメモを書くためにワイヤレスキーボードがほしいなと思う今日この頃。

gakuge-i.hatenablog.com

ポメラがあればメモ利用でも十分いけるんだけど、あれ今中古がそれなりの値段になってて。

キングジム デジタルメモ 「ポメラ」DM25 DM25

キングジム デジタルメモ 「ポメラ」DM25 DM25

 

じゃあそれ買うんだったらポメラじゃなくてiPhoneのメモアプリで同じようなことができないかと。

で、ソフトウェアキーボードだと打ちづらいのでとまあそういう思考の過程を経て欲しくなったのだ。

折り畳みできて、Bluetooth接続、電池も単三電池が使えるとうれしい(エネループ使えるから、内臓バッテリーだとバッテリー自体がヘタったら製品ごと交換のケースが多い気がするし)。

ポメラの重量が500mlのペットボトルとほぼ同じくらいか若干軽いので、キーボードだけならそんなに荷物にならないはず。はず。

 USBなのかBluetoothなのかよく分からない表記だけど、こういう感じのヤツ。

ほんとにうまくいくの?

これがあれば、休み時間なんかに思いついたことをぺちぺちiPhoneに打ち込んでいけるかなーなんてことを妄想している。

けれど実際そううまくいくかなーなんてのもあって。

自分の性格を考えたら休み時間は寝てるんじゃないかな…コーヒータイムとかそういうのも無いし。自分のペースで仕事できる職場だから割とやりやすいんだけど、それでもノルマっぽいのはあるから、思いついたことを打ち込む暇はあるのかどうか。音声入力できれば一番手っ取り早いんだが…。

そういう習慣を作るところもあわせて初めてみようか。

再々、再募集かかってる採用案件は大丈夫なのか問題

いや、大丈夫じゃないよな。

学芸員の仕事

学芸員採用の情報が出るところがあるんだけど、そこにずーっと再募集かかってる、とあるミュージアム(という言葉を使って館種を濁す)の採用がまた出ていた。このミュージアム、確か今年の1月くらいからずーっと採用募集していたんだけど、今月に入ってもまだ決まってないのか割とビビる。ビビるというよりも不信感しかない。

まあ、その募集要項がハードル高いくせにどう考えてもお給料そこまで払う気ないだろ、な案件で「お察し」のところなのである。そりゃあ誰も来ねえよ。今回出てるのはすごーく甘めに設定していたけど、それでも前回、前々回の時の募集要項を見ているだけにね、内部的にかなりこき使われそうな気がする。前まで出ていたときは「TOEIC700点以上」とかそういう条件も付いてた。本来は研究とかそういう業務を行うべき学芸員なのに「勤務時間の20パーセントを勤務地以外での調査に充てることができる」とかいう条件もついている。なんだよそれ、なんでそこまで勤務地に縛り付けようとするのか。受付とかそういうのもさせようっていう魂胆なんだろうな。

だいたい、京都画壇に精通していること、みたいな条件自体かなりハードル高いんだけどそれ気づいてんかな。それでいてお給料は20万もしないくらいだったし。これ若いやつ絶対来ないよなーでもそういうところに限って3040代の若手を欲しがったりするんだよな。たぶんポスドクとかその辺の人がほしいんだろうけど、いかんせんこの給与では食べて行けそうにない感じだし。

それに何回も条件代えて募集かけてるってのだけでも「この職場大丈夫か??」っていう不信感しかわかないよね。前も出ていたけど、前の時に決まった人が辞めたんかな?とか、募集も来なかったんかな?とか、そういうのを考えてしまう。それだけでも痛手だよなあ。

ちゃんと働ける環境で魅力的な条件であればたくさんの募集あるのにね。

 

まあ、今回どうなるのか。来月も採用募集が出てこなきゃいいけど。

ワークショップ案を作るの、大変

子どもとミュージアム 学校で使えるミュージアム活用ガイド

次年度向けのワークショップ案をちまちま作っているのだが、単なるイベントに終始してしまいそうで個人的に嫌なのである。はっきり言おう、気に入らん。

博物館で何かしらのワークショップをするのであれば、それなりに「そうだったのか!」的な、?が!になるようなものをしたいのだけれど、そこまで求められていないのが現状。単なる工作イベントとなっちゃってるから、それをどうにか軌道修正したいのがわたしの最近の野望。

美術系で多いのかな、絵をかいたり立体物を使ったり。そういうのができる美術館であればまだいいんだが、勤務館は美術作品が常時見られるような場所ではないし、常設展示は歴史系だからそれに見合うワークショップやればいいんだけど、そういうのだとあんまり歓迎されない。特に小さい子を持つ親御さんたちからは。

あとは夏休みの宿題になりそうな、というのも大きいかもしれない。そういうのありなの?って思うけど(だいたい家でどうにかこうにか工作して持って行った系人間なので)、今はそれもOKなんだ時代は変わったなあ。なのでそういうリクエストにもこたえられるようなものをと考えているんだけどなかなかねぇ。

そこまで考えてやはり最初の感想に行きあたって堂々巡りを繰り返すだけ。もうちょっと自分に博物館の運営に口出しができる権力というか、そういうのがあればもっといろいろできそうな気がするんだが、ないものはないのでどうしようもない。

 

そんな小さなストレスを毎日抱えている今日この頃だわ。

長文ブログ、もう誰も読んでない説

よっぽどのことがないと長文のブログ読まれなくなっちゃたんじゃないか。

SEO対策で長文にしましょうというのが一時期はやったけど、むしろ内容圧縮していかに短く的確に物事を書けるか、そういう時代になってるんだと思う。裏付けないけど。

でも、展覧会のキャプション作るときは最近は100字超えないようにしている。それ以上はもう誰も読んでくれない。素通り。解説パネルも同様で、たまに美術系の展覧会に行くと長文の「ごあいさつ」だとか「第〇章」とかが並んでるけど、根気よく読んでるのは数人であとはみんな素通り。

まあパネルなんてのは作品の添え物みたいなものなので、ある意味正しいのだが、学芸員としてはちょっとつらい。

それを加味して考えると、やはり長文はもうほとんど読まれていないんじゃなかろうか。特に日記ブログに関しては。

 

ということにいまさら思い当たる。

 

まあそうだよね、大したことも書いてないし、だいたいお前誰だよ!?的な人間が書いた日記って面白味もないよなそりゃ。よっぽど議論的な内容か、説明書的なものか、映画の感想文かそういうものしか読まれないんじゃないか。

 

ていうのを長文で書いてる。ダメじゃん。

 

来年度、どうやらひとりになるらしい

同僚学芸員に耳打ちされたんだけど、どうやら来年度はわたしひとりになるらしい。学芸員が。どういうことかはお察しください。一応言っておくと今は2人体制。

マジかよー一応そのつもりで準備はしてきたけどさ、実際に面と向かってそう宣言されるとがっくりくる。またしばらくひとりで切り盛りしなきゃならないのか。公募かけてもなかなか人が集まらない状況ってのはよくあるけど、そうなりそうだからなー。給与と業務と立地を考えるとどう考えても募集集まらないだろう。なのでひとりで切り盛りだろうな、と予想しているわけ。

これじゃますます研究の時間も無くなってしまう。どうしたらいいものか。

というか、ひとり体制長かったのに給与で補てんされてないんだけど。補てんされないだろうけど、今度言ってみようかなあ。今の職場、そういう不満ばかりだ。

美術館で働くということ 東京都現代美術館 学芸員ひみつ日記 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)

美術館で働くということ 東京都現代美術館 学芸員ひみつ日記 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)

 

 

連携の距離

連携を前提に考えたとき、ゴールがどこかという基本的な設定もさることながら、館同士の物理的距離をいかに埋めるかが大事だと思う。長距離でも面白そうな取り組みであれば「行ってみようかな」という気になるし、近距離でもつまらなそうだったら行かないし。

この物理的な距離っての、意外と議論に上がらない。バスをチャーターしていけばいいだろう、みたいなノリもたまにあるけど、その場合の保険や誰が引率につくのか、何人集まればペイできるかといった点が新たに問題になる。そしてそこまで議論されることは少なく、結局最後までぐだぐだになる。

あとバスチャーターだと限られた人数しか行けない、てのも問題かなあ。どのくらいの人間を連携で集めるか次第だろうけど。

あとは賞品を出して連携館をまわるのを推奨しているところもあるけど、賞品がしょぼかったら逆に怒られるというね。そりゃそうだよね、めちゃくちゃ遠い館をまわってもらえるのがシール1枚とかだったらわたしですら「はぁ?」ってなるもん。

だからといって金銭的に高価なものを賞品にしちゃうと、今度は「モノで釣るんか!」ていう批判も出るし。どうすりゃいいんだ。

博物館と地方再生: 市民・自治体・企業・地域との連携

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