はい。学芸員だけど片足を教育現場というものに突っ込んでるので、年に数回「こんなことをするんですよ」説明会も担当している。慣れるまではちょっと大変だったけど、前職前々職で鍛えた?アドリブ力とかそういうのを駆使してなんとか乗り切れるようになってきた。
まあ、涼しい顔しながら「うっどうしよう!」と焦ってるんだけどさ。
それで、自分の仕事とかそういうものを説明するのって割と大変だと毎回思うわけ。
何が大変かって、教科書とかに載ってないことの方が多いし、その現場での話ってのをいかに盛り込んでいくかっていく話の組み立て方が難しい。自分でも「あー、わたしこういう仕事してたんだっけか」みたいなこともあるので、全容なんて把握できそうに無い。
展覧会、調査研究と教育普及、みたいな花形だけできてるように思われたらちょっと困る。現場はもうちょっと泥臭くて、チラシのデザインから配布、資料清掃から写真撮影、庭木の整理とかそういうものまで対象になる場合もある。一度屋根の補修とかやったな台風の日に。
っていう話をすると大概驚かれるんだけど、わたし自身も驚いてるから変な職業だと思う。
特に小さい博物館/資料館にいると、ひとりであれこれする必要もあるし、なんなら若い男手がわたしだけ、という場合もあるから大工仕事から重い荷物運びから、いろいろ頼まれることが多い。職業的に変な構造になってるところもある。
まあそういう雑芸員みたいなことをしゃべらなきゃならないわけだわ。相手はいまひとつピンときてない感じの時もあるけど。「それは環境が悪かったのでしょう?」みたいな。いやーそれはそうなんだけど、そういうところもあるよという話で。「わたしはそんなところ行きませんけど」というのが相手から見え隠れする時もあってちょっと辛かったりする。
程度の差はあれ、似たようなところ多いんだけどなあ。ほんの一握りの立派なところを事例にされると話がそこで終わってしまうわけだが。
言いたいことは山ほどあるんだけど、言ったら大変なのでこの辺でやめとこう。
ともかく、そのレクチャー業のためにパワポ作って説明の練習して、ていうのを土日やっていたんだけど、毎年毎年追加するものが増えてしまい、まるで秘伝のスープあるいは秘伝のタレのような雰囲気を出している。あれ秘伝ていうけど実際のところはほぼ新しいのに置き換わってるっていう話だよねっていう余計なことは置いといて、パワポが継ぎ足し継ぎ足しなのでだいぶ重くなってしまった。動画まで入れたら8GBあったけど、別パソコンで開いたら「ファイルが破損しています!」とかふざけたことを言われてしまった。仕方ない、動画省いて別の場面で見せよう。当日の直前に確認しなくてよかった。
そんな感じで準備していたとしても、伝わってなかったりするから難しい。参加者の半分くらいが話をわかってくれればいいかなと、そのくらいの気持ちで臨もうと思う。